海と山が好き

海と山が好きだけど埼玉に住むおっさんが遭遇したアジャイルとかのはなし

Celebration から始めるレトロスペクティヴ

ふりかえりアドベントカレンダーの2日目の投稿になります!

https://adventar.org/calendars/8001


ふりかえりで大事なことはなんだろう?今年一番大事だ、伝えたいことはなんだろう? と思ったとき、一番最初に浮かんだのが、「Celebration からはじめる」というワードでした。

アジャイルなチームは経験主義に根ざしています。

経験主義とは - コトバンク

経験主義とは、どうあるべきか(理性主義)ではなく、経験としてどうあったのか、事実に基づこう、という科学的な態度、です。


アジャイルなチームのふりかえりを悪化させる原因として、この理想主義(本来こうあるべきなのに、そうでなかったのはなぜか、というモノの見方)があるように感じています(n=12)

ある意味この考え方は、「正解があって、そこに至るにはどうあるべきか?」といった我が国の教育指針、育ち方が背景にあるのでは?と感じています。

こうした考え方を打ち破るにはどうしたら良いのか,日々スクラムチームと対峙する中で悩んでいます。

こうした中で一つ見えてきたプラクティスとして、タイトルに書いた、「Celebration から始める」というアイデアがありました。

Norm Kerth の Prime Directive にある通り、我々は全力を尽くしたことを疑わないことから始めれば良いのではないか。

そうはいっても、長年の教育により培われた、「あるべき正解に近づかなければならない」といった理性主義の脱却は簡単ではないです。

「Celebration から始める」というプラクティスは、ふりかえりを始めるにあたり、「まず、このスプリント/イテレーションを走り切った自分たちに対して、まず祝福(Celebration)を送ろう」というものになります。

拍手でもいいし、全員に対する kudo カードでもいいです。

自己肯定感の醸成、とか、そういった陳腐な言葉で表記することはできますが、まずは当たり前に自分たちの経験、これまでを祝福する、という態度を明確にすることによって、理性主義の脱却と、経験主義への一歩を踏み出すことができると感じています。


スクラムマスターや上司が抱く、チームのあり方に対する理想があります。

コミュニティで見かける、素晴らしいチームの在り方を目にすることもあります。

そうした理想を抱くことは大事です。でも、そこへ向けて、まず最初の一歩を踏み始めるには、"いま" 自分の足を置いている経験を認め、足元を確かにすることが何よりも大事だと思います。

そのために、いま自分が足を置いている場所を確固なものとし、次に向かって一歩を踏み出すために,今までの自分たち、その足元をありのままに認める、祝福する、Celebration が必要なのだとおもいます。

あなたはいま、ふりかえりをする中で、今の自分たちの在り方をはじめに祝福できていますか?